ほんとに大事なことは忘れないようにしたい。
計画停電ということもあり、本を読もうと改めて思った。
前々から興味あったけど、近所の本屋に新社会人に贈る本特集で置いてあったので、
「憲法第九条を世界遺産に」を購入。
ほんと新社会人向けとか、むしろ高校生向けとかを今読むと本当にためになる。
校長先生のりがたい言葉も、学生時代はあくびしながら聞いていて全然覚えていないし、
社会人になるにあたって買いまくったビジネス本も気休め程度にしかならなかった。
しかし、そろそろ社会へ出て3年目となる今、
若者向けの本をじっくり読むとズガピーン\(゜ロ\)(/ロ゜)/ってくる。
なんであの頃読まなかったのかと…
焦って先走るのが自分の性分なので、そのまま先走りながらも、、、
ちゃんと振り返えって、ほんとに大事なことを忘れないようにしたい。
さて、この本は流石太田光と中沢新一で、やんわりと印象的なフレーズがちらほら。
結論という結論はないし、内容もやや偏りはあるものの、
一種の教養として読む価値は大いにある。
教養は心の余裕の糧となるものであり、平時ではない今の自分たちには特に必要だ。
本の中で印象に残ったのは中沢さんの一言。
「世界遺産に指定された場所の多くは、現代社会の中で、なかなかほかにはあり得ないようなあり方をしています。美しい景色も、そこに残された精神的な価値も、現代の価値観からするとあり得ない場所なのです。そのあり得ない場所を持続しようというのが世界遺産の考えでしょう。」p126.l5
これは昨年白川郷へ行ったときに強く感じた。
普通に生活しながら世界遺産ってすごいなって(^u^)
すごさの裏には、この価値観を守って、維持しようというたゆまない努力があったのだ。
雪の時期は陸の孤島だし、生活する上でめんどくさいことも沢山あるだろう、、、
都会暮らしが慣れた自分にとっては、観光ではいいけど、そんな生活は耐えられない。
今思うと、動物園の檻の外から見ていた上での感動だったのか。
だが、そんなことはお構いなしに、白川郷の住民はその環境でちゃんと生活をしている。
そんな生活がごくごく普通で当たり前なのだ。
本書に書かれているように、やせがまんで頑張っているのかもしれないけど、
ああいう生活もできるんだなってのが、大きな希望になる。
本書ではだから国際的にはありえない憲法9条を世界遺産にしようとっているのだが…
そんなことはどうでもよく(笑)
今、自分たちは未曾有の大混乱の最中にあり、
悪い意味であり得ない出来事が沢山起こっている。
そして、そんなあり得ない出来事が当たり前になっているのだ。
自分にとっての当たり前とは何なのか!
価値観の再転換が求められるだろう。
うちは都会だと思ってたけど、我が街でも計画停電が実施されている。
コンビニも信号もなにもかも暗い、これまで考えたこともなかったような光景。
家帰っても真っ暗で、懐中電灯の光の有難さを強く感じた。
こんな経験をした以上、その有難さをこれからも大事にしていかなきゃいけない。
はじめてのいい経験は何でもかんでも有難いものだ。
でも、いつの日か当たり前になって感謝の気持ちは薄れていく。
ちゃんと振り返えって、ほんとに大事なことを忘れないようにしたい!!
そんな気持ちが、日本のこれからの希望なのではないか。
- 作者: 太田光,中沢新一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/08/12
- メディア: 新書
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